CADをWordに貼り付けるにはどうしたらよいですか、とよく質問をされるので今日はその方法をご紹介します。質問者は単純に貼り付け方を聞いているのだと思いますが、ここでは更に美しく貼ることを意識して「太さを生かした、解像度の高いCAD図の貼り付け方」を説明していきます。
AutoCADには「jpgout」「bmpout」など、直接jpgやbmpに書き出せるコマンドがありますが、解像度が悪くお勧めしません。また、メタファイル化したデータを貼り付ける方法もあるようですが、線の太さを継承しないため印刷で細い線になってしまい、こちらも使い道がないに等しい機能です。
ではさっそくはじめましょう。必要なものは各種CADソフト、フリーの仮想プリンターBullZipです。リンク先の最新バージョンをインストールしてもかまいませんが、BullZipの最新バージョンは解像度設定に制限(150px)が設けられています。現在確認している解像度設定に制限のないバージョンは以下の2つです。9.2.0.1499はリンク先からダウンロードできます。
2012-12-05 (9.3.0.1516)
2012-11-05 (9.2.0.1499) → Download
いろんなリンクがありますが、真ん中の緑のボタンをぽちっとな、Setup_BullzipPDFPrinter_9_2_0_1499.exeというファイルが落ちてきたら正解です。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールを開始します。
アイコンは特に必要ないのでチェックをはずして次へ・・
Ghostscriptとは、PDF言語用パッケージプログラムですのでインストールしないと動きません。よってチェックを入れたまま次へ。
進捗が表示されつつインストールがすすみます。数分したら終了しますので、ウィンドウを閉じて完了です。
データはCAD屋さんにはおなじみ、CAD-DATA.comにあるわたしのiPhone5sデータです。データがちょっと古いですね。
太さも反映されますのでオブジェクトをお好みの太さに設定し、通常の印刷コマンドをたたきます。今回は縮尺設定をしないで進めようとおもいます。縮尺をあわせて印刷したい場合は「用紙にフィット」のチェックをはずし、貼り付ける用紙サイズ以内にオブジェクトが収まるよう尺度を合わせておきます。ワードに貼り付ける場合は余白等考慮して縮尺をあわせてください。
はじめに開くのが一般タブです。フォーマットには書き出し可能なファイル形式が記載されています。今回はリストの中から「EPS」を選択、任意のファイル名を入力し、その横の「…」をクリックして書き出しフォルダを指定します。指定がなければデスクトップに書き出されます。その下のチェックボックスはお任せですが、アドビ製品が毎回起動してしまいますので「作成後ドキュメントを開く」のチェックははずしたほうが無難です。
デフォルトの解像度は150になっていますが、印刷を前提にデータを書き出す場合は300くらいに上げたほうがいいかもしれません。最近のバージョンはここを150より大きい値に選択するとはじかれますが、トライアルで先にすすむことも可能です。でも文字が入ります。
「保存」を押して書き出しは完了です。
自宅のPCにオフィスがないので画像は割愛しますが、各種Officeを起動して「挿入」→「画像」の順に書き出したEPSファイルを選択、貼付します。出力の際に余白はトリムされますので、Shiftをクリックしたままサイズを調整して終了です。
Adobeの IllustratorをおもちであればCADから直接dxfに書き出ししてイラレで開き、epsに書き出しという手もありますが、なければ上記方法で試してみてください。
2017年5月 追記: AutoCADで書き出した.epsがOfficeで表示されなくなった件